生活保護を受け続けられるのは、限られたエリートです。

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 毎度お世話になっております。「私が見てきた貧困」芸人のえらいてんちょうです。
 一連の記事はさまざまな意見をいただきまして、例えば治療を義務化させればいいとかいった声が多かったのですが、いやいや・・・はぁ、もの知らねえ人間は簡単にものをいうなあとやるせない気持ちになりまして、今回更新します。

 【北海道で生活保護を受給していたが、ふと東京にいきたくなって東京へ。もちろん手続きはなにもしてない】


 生活保護を受ける際に、水際作戦で断られるとか、生活保護打ち切りで自殺とか、そういった華々しい?問題がクローズアップされがちですが、生活保護を受給している状態で、自ら消息を絶つパターンもすくなくありません。私の知っているSのパターンを紹介します。
 Sは、北海道で生活保護を受けていましたが「東京に住みたくなって」飛行機で東京に来ます。生活保護費で借りたアパートもそのままで、福祉事務所には当然なんの連絡もしていません。彼をしばるものは、なにもないのです。
 東京で友人の家を転々としたあと、再度生活保護の申請をします。北海道でアパートを夜逃げしてきた形になるので、アパートではなく、区の施設への入所を勧められますが、本人は知らない他人がいるとかヤダ、アパートに住みたいの一点張りです。生活保護法の規定に基づき、無理に施設へ入所させることはできません。

第三十条  生活扶助は、被保護者の居宅において行うものとする。ただし、これによることができないとき、これによつては保護の目的を達しがたいとき、又は被保護者が希望したときは、被保護者を救護施設、更生施設若しくはその他の適当な施設に入所させ、若しくはこれらの施設に入所を委託し、又は私人の家庭に養護を委託して行うことができる。
  前項ただし書の規定は、被保護者の意に反して、入所又は養護を強制することができるものと解釈してはならない。
  保護の実施機関は、被保護者の親権者又は後見人がその権利を適切に行わない場合においては、その異議があつても、家庭裁判所の許可を得て、第一項但書の措置をとることができる。

 一か月後くらいに、無事アパートの審査がおり契約をすませたSくんは、月末を待たずに、九州に行きたくなったため、九州にいきました。もちろん、契約の解除も、福祉事務所への連絡もしておりません。九州での動向は詳しく知りませんが、思想系シェアハウスに世話になったあと、原付をパクって逃げてきたようなことを聞いております。
 
 

 【毎月決まった場所に現金を取りに行くことは、限られた人間にしかできない】

 生活保護は月末に現金で福祉事務所にて支給されるわけですが、Sくんのような例があり、私も知らないたくさんの習性をもった人間のなかで、毎月決まった場所にお金を取りに行けるのはどれだけ限られた人間か、感覚的にお分かりいただけると思います。まして、継続的な治療に服することができる人間は、もはやその時点で病気が治っているようなものです。一応、病院にはいくこともありますが、睡眠薬ももらって、酒といっしょに飲み、脱法ドラッグのようにラリって楽しんでいることもありました。公共の危険がないのに、本人の意思に反して入院させることは憲法違反ですからね。人権侵害です。
 お気づきになった方もいらっしゃるかと思いますが、第一作目で書かれた彼ら、誰も生活保護に居続けられてないのですね。別に、「自活して健康で文化的な最低限度ができるようになった」わけではなく、さまざまな不義理を働いたり、気分で場所を変えたくなったりして、同じ場所にいられなくなった結果、生活保護をもらい続けることができなくなったわけです。
 生活保護に対するバッシングは種々累々ですが、額が安いの高いの、牛肉買えるの買えないのいっている方々は、生活保護受給者のなかでは、継続して同じ場所で生活保護を受け続けられる限られたエリートなのです。

 【まとめ:この世はジャパリパーク。サルがサルなのは社会の責任で治療すべきことなの?】

 最近けものフレンズというアニメが流行りました。みんな、かわいい女の子の恰好で言葉による意思疎通もできるのですが、実は違った生き物で、得意なこと、苦手なことがフレンズによって異なります。サーバルはタフだし高い木に登ることもできますが、何にもできないカバンちゃんが作った紙飛行機に感動します。出来ないことは当たり前、出来ることはできるフレンズが助けてくれる。ルールは「自分のちからで生き抜くこと」「ほかのフレンズを不必要に攻撃しないこと」「ほかのフレンズが困っていたら、自分でできることも無理ない範囲で助けること」。これは、非常に進歩的で、示唆的な話だと思います。
 江戸時代には人権の概念はありません。「人間」という概念が確立されていないからです。そこには、武士がいて、農民がいて、町人がいるだけです。武士は武士の法に、農民は農民の法に属します。
 あるいは、黒人奴隷を売り買いする白人に、黒人奴隷が同じ人間だという認識はありません。
 それが、歴史が進んで、All men are created equal(すべて人間は平等に創られている)となるわけですが、果たして、同じホモ・サピエンス・サピエンスだというだけで、同じように人権があり、ホモ・サピエンス・サピエンスでないものには人権がないという考え方は現代に妥当するでしょうか。
 彼らは病気であり、(普通の人間である我々に合わせるよう)治療すべきだという考えがそもそも間違っているのではないでしょうか。
 先進国の文明人たる我々に彼らを適合させようとすることは、ただ単に暴力でしかない。別種の生き物である。別種の生き物が別種の生き物であるのは、社会の責任でもなんでもない。ただ単に、別種の生き物がいるという現実があるだけだ。そのように考えています。
 同じ人間で話せばわかると思い、その思いが裏切られ続けてきました。それが、別種の生き物で、お腹がすいてそうならごはんをあげればよい、彼らは「フレンズ」なんだ、と思うと、すごく気持ちが軽くなり、ストンと落ちるところがあります。これは何も、対生活保護受給者に限った話ではなく、対北朝鮮にしても、対イスラム国に対しても、広く妥当するのではないかと思います。

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